新型スペーシアが2013年の新発売以来、初めてのフルモデルチェンジを2017年12月14日に行った。スズキのスペーシアは広い室内空間で人気の軽トールワゴン。フルモデルチェンジで燃費や安全性能はどうなるのか?タントやN-BOXとの違い、新型スペーシアの情報、画像をお伝えしましょう。
目次
スズキのスペーシアとは?
スペーシアは元々、2008年から販売していた”パレット”の後継機種として発売された車種。2013年から名前や室内寸法を変えて軽量化を行うことで燃費をすこぶる良くし、新型スペーシアとして販売を開始しました。
出典:スズキWebサイト
スペーシアの語源は英語の空間を表す”Space”からきているようで、広い室内、スペースを連想してもらえるようにと名付けられたそうです。その意図通りスペーシアはスズキの軽スーパートールワゴンとして人気の車種になりました。
最近では、ホンダN-BOX、ダイハツのタントとスペーシアは3大スーパートールワゴンとして戦っていますが、残念ながらスペーシアの販売は今一つ伸びていないようです。
スズキは今回、フルモデルチェンジをする新型スペーシアで巻き返しを図りたいところでしょう。
スズキ スペーシアとマツダ フレアワゴン
スペーシアとよく似た顔を持つ、マツダのフレアワゴン。こちらはスズキがマツダにOEMしている兄弟車。
OEMとはほかのメーカーの製品を、自社ブランドとして販売することです。
このOEMによってスズキは自社製品をマツダの宣伝網や労力を持って売ってもらえるというメリットがあり、マツダはスズキの完成品を自社ブランドで売ることで、製品開発に費やす時間やコストを大幅にカットできる。双方に利用価値があるWinWinの関係なんですね。
旧モデルの次の写真でうりふたつの顔が確認できます。
フロントグリル上のロゴマークが違うだけで、見た目は全く変わりありません。
<スズキ スペーシア>
出典:スズキWebサイト
<マツダ フレアワゴン>
出典:マツダWebサイト
私は今回はじめて、マツダのフレアワゴンの名前を耳にしました。
それもそのはず、販売台数でいくとスペーシアが月間7500台に対して、フレアワゴンは620台と1割に届かないほど。
こうまでしてマツダがOEMするのは、軽自動車のラインナップをそろえる為の策なのでしょうね。
マツダの顧客から2台目のクルマとして軽自動車のリクエストがあれば、対応可能となるワケですからね。苦肉の策ってとこだと思います。
またスズキとしてもスペーシアと同じ顔を持つクルマが街中を走ることは悪くないことですね。
新型スペーシアについて
新型スペーシア、新型スペーシアカスタムであろうモデルは、東京モーターショーにて披露目されました。
そもそも2018年ごろにはフルモデルチェンジ?と噂されていましたから、そう遠くないタイミングでと期待は高まりましたね。
で、そうこう言っているうちに、”ティーザーサイト(特設サイト)”を公開。
2017年12月、フルモデルチェンジした新型スペーシアのデビューが確定し、12月14日から発売が始まりました。
新型スペーシアのプラットフォームや燃費は?
現行のスペーシアは、2015年5月のマイナーチェンジから販売が続いているタイプ。今回のフルモデルチェンジではどんなところが変わるのでしょうか?
新型スペーシアのプラットフォームは?
新型スペーシアには、ワゴンRやアルトで採用した次世代プラットフォーム”HEARTECT-ハーテクト”が投入されました。
”HEARTECT-ハーテクト”はクルマの構造、部品の配置に至るまですべてを見直し、基本性能向上と軽量化という2大ポイントを同時に達成。
現状維持ですが軽トールワゴンのなかでは一番軽い850kg。
この軽量ボディ、燃費と走りに大きく関連します。
<”HEARTECT-ハーテクト”の構造>
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアのマイルドハイブリッドは?
新型スペーシアには、全グレード対象にマイルドハイブリッドを標準装備。
マイルドハイブリッドは、再発進、加速時にモーターを使うことで燃費効率をアップすることができます。
加えて、アイドリングウトップは完全に止まる前の10.0km/h以下と、旧モデルの13.0km/h以下よりもさらに早くからエンジンを止めガソリンの節約を。
ライバルのダイハツの”新エコアイドル”では作動速度は9km/h以下。今回のスペーシアでかなり近くなりました。
これらのモーターのアシストや、アイドリングストップで燃費効率が大幅にアップしているワケですね。
新型スペーシアの燃費は?
新型スペーシアの燃費効率はどうでしょうか?
Gクラスの2WDで30.0km/ℓ。
ライバルのN-BOXは27.0km/ℓ、タントは28.0km/ℓですからこの辺りは十分に競り勝っています。
出典:You Tube
新型スペーシアのサポカーは?
最近テレビコマーシャルでもさかんに言っている”サポカー”。自動ブレーキ搭載車の愛称です。
スペーシアはほとんどのグレードがサポカーSにあたります。
**サポカー、サポカーSのくわしい解説記事**
サポカー、サポカーSとは?トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スズキなどの搭載一覧と保険料割引は?
新型スペーシアの安全性能は?
最近の軽自動車は安全性能も充実したタイプが多く発売されていますね。
スペーシアはどうでしょうか?
①デュアルセンサーブレーキサポート→ 全グレードに標準装備
②後退時ブレーキサポート(軽自動車初)→ 全グレードに標準装備
③全方位モニター用カメラ→ メーカーオプション
④ヘッドアップディスプレイ(軽自動車初)
このなかで②④は軽自動車初の搭載。ますます充実したモデルになりました。
新型スペーシアの衝突被害軽減ブレーキ
スペーシアは軽自動車では初の単眼カメラとミリ波レーダーで、前にいるヒトやクルマを検知。
万が一の危険の時、ぶつかることを避けるためにディスプレイと、警告音でドライバーにお知らせ。
衝突の危険が大きくなると自動ブレーキが働き衝突被害の軽減を図ります。
出典:スズキWebサイト
ヒトとクルマの両方を検知するは画期的ですね。2つの違う種類のレーダーで、検知精度があがり安心度が増してイイ感じです。
新型スペーシアはバック時も自動ブレーキが〔軽自動車初〕
さらに、新型スペーシアはバックの時にも自動ブレーキが働く機能が追加されました。
これは軽自動車初!
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアの全方位モニター、3Dビューとは?〔メーカーオプション/軽自動車初〕
メーカーオプション(77,760円)で全方位モニター用カメラパッケージをつけると、クルマの前後左右の4つのカメラでクルマを真上からみたような映像が。
死角や見通しの悪く運転席からは見づらい周りを映してくれます。さらにはクルマの周りが立体で見える機能(3Dビュー)も。
〔3Dビュー)
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアの誤発進抑制機能
強くアクセルを踏むと、前にある霜害物を認識して警告音とメーター内表示で警告し、発進をも抑えてくれます。
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアの後方誤発進抑制機能は?
うっかりして、後ろに障害物があるのにバックしてしまうこと、、、ヒヤッとしますね。
こういうシフトの入れ間違いで起こるバックに対応した機能です。
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアの車線逸脱警報機能は?
白線を検知して車線をはみだしそうになると、警告音とメーター内表示でドラーバーに注意喚起します。居眠り運転には効果的かもしれません。
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアのふらつき警報機能とは?
車線逸脱警報機能と少し似ていますが、運転者の”くせ”をもとにクルマの走りがふらつきと判断したら警告音とメーター内表示でおしらせします。
出典:スズキWebサイト
たくさんの警報機能がありますね。軽自動車のなかではかなりの充実度だと思います。
新型スペーシアのハイビームアシストとは?
ハイビームではっているときに、対向車や先行車がいれば自動でロービームに切り替えてくれます。
また周りが暗くなると自動でハイビームに。
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアの標識認識機能とは?
全方位モニター用パッケージを装備すると、標識を検知して一方通行の逆行などが起これば、
デイスプレイに表示してお知らせ。
出典:スズキWebサイト
この機能ってすごいですよね。標識とクルマの動きの違いを見てるなんて!!!
新型スペーシアの先行車発進お知らせ機能とは?
信号などでとまっているとき、前のクルマが発進し4m以上離れると前のクルマが発進したことをお知らせ。
出典:スズキWebサイト
メールチェックして信号が変わったことに気づかない場合などに便利ですね。
新型スペーシアのヘッドアップディスプレイ〔軽自動車初〕
新型スペーシアには、便利なヘッドアップディスプレイがメーカーオプションで搭載できます。
これはディスプレイに表示される情報を、フロントガラスに映し出すことで視線は運転のままでOKというもの。
出典:スズキWebサイト
マツダのCX-5、プリウスなどにも採用されているもので、私はとても気に入っています。
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なにより、欲しい情報を目線を下げることなく見ることができるのは運転していてラクです。
この機能が軽自動車に付けることができるのは画期的です!
新型スペーシアのパワースライドドアとは?
新型スペーシアのパワースライドドアの開口部は高さ1250mm、開口幅は600mm。
また、小さな子供やお年寄りも安心なステップ高345mmはうれしいですね!
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアのパワースライドドアの予約ロック機能〔HYBRID X〕
新型スペーシアからは、スライドドアが閉まり切らなくてもドアロックをリモコンで!
出典:スズキWebサイト
急いでると気とか、子供が居たりすると便利な機能ですね。
また、ドアの開き具合を好きなタイミングでできます。ちょっとだけ開けたいとかもOK!
新スペーシアの室内環境は?
全高が5cm高くなった新型スペーシア。室内が大きくなったけど、社内のどこにいても温度が同じになる工夫をサーキュレーターをつけることで。(HYBRID Xのみ)
↓↓また、エアコンルーバーで風量調整までも。(一番右がスポット、左が拡散モード)
↓↓さらに、冬場の寒さには座面と足元にヒーターを!
・運転席シートヒーター:HYBRID X、HYBRID G 4WD車に装備
・助手席シートヒーター:HYBRID X 4WD車に装備
出典:スズキWebサイト
いたれりつくせりで、他の軽トールワゴンとの違いを出しています。
特に私はヒーターが気に入りました!私の愛車にもつけたい!!
新型スペーシアのラゲッジとシートアレンジは?
軽自動車はどれくらい荷物を積める?またシートアレンジは?と、皆さんとても気になるところ。
新型スペーシアは大きなもの、たとえば自転車もラクに詰めますよ。
また、シートアレンジは次のように多彩です。
出典:スズキWebサイト
新型スペーシアとタント、N-BOXの比較
スペーシアのライバルと言えば、タント、N-BOXが挙げられます。
販売台数ではこのライバル2車種には追いつけていないスペーシアです。どのあたりに違いがあるのでしょうか?
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新型スペーシアとタント、N-BOXの比較〔価格、燃費、重量、寸法〕
3車種の違いを表にしてみました。
スペーシア | タント | N-BOX | |
価格 | 133万円 | 122万円 | 120万円 |
燃費 | 30.0km/ℓ | 28.0km/ℓ | 25.6km/ℓ |
重量 | 850㎏ | 920kg | 950㎏ |
全長 全幅 全高 |
3,395 |
3,395 1,475 1,750 |
3,395 1,475 1,780 |
内寸 | 2,215 1,320 1,375 |
2,200 1,350 1,365 |
2,180 1,350 1,400 |
さすがマイルドハイブリッドを搭載しているスペーシアが燃費はダントツでよいですね。重量も軽いので走りが軽快で楽しくなりそうです。
また、高さが5cm高くなったので居住性も良くなりました。
ただし、価格面ではスペーシアは遅れをとっています。ここが課題でしょう。
新型スペーシアとタント、N-BOXの比較〔安全性能〕
安全性能は、最近のクルマには欠かせない機能になっています。
今回新型スペーシアは安全性能に力を入れて、ブレーキサポートは充実です。
②後退時ブレーキサポート(軽自動車初)→ 全グレードに標準装備
スペーシア | タント | N-BOX | |
自動ブレーキ | 〇 | × | メーカーOP |
車線逸脱 | 〇 | × | × |
ふらつき警報 | 〇 | × | × |
新型スペーシアとタント、N-BOXの比較〔エクステリア(外観)〕
写真で比較するとスペーシアとタントはフロントがやさしい顔立ちです。
女性やママ層がターゲットだというのはうなづけますし、私も選ぶならN-BOXは男性的な感じがするのでちょっとかなと思います。
<新型スペーシア>
出典:スズキWebサイト
<タント>
出典:ダイハツWebサイト
<N-BOX>
出典:ホンダWebサイト
新型スペーシアとタント、N-BOXの比較〔コックピット〕
ではコックピットはどうでしょうか。
新型スペーシアはスーツケースをイメージしたデザイン。かなり変わりましたね。
メータがタントだけ中央の高い位置にあります。目線的にはこの高さがいいでしょうね。見やすいと思います。
<新型スペーシア>
〔旧型スペーシア〕
出典:スズキWebサイト
<タント>
出典:ダイハツWebサイト
<N-BOX>
出典:ホンダWebサイト
新型スペーシアとタント、N-BOXの比較〔スライドドア〕
軽トールワゴンで外せないのはスライドドア。
スペーシア、タント、N-BOXはもちろん左側は標準装備し、右側はクラスにより標準装備またはメーカーオプションになります。
全部開くとよいけど、必ずほしい!とまではいかない気がします。
また開口部の空き方にも若干違いがありますね。
スペーシア | タント | N-BOX | |
開口寸法 | 600mm | 605mm (1490mm) |
640mm |
新型スペーシアとタント、N-BOXの比較〔リアステップ〕
リアステップも各車、違いが出ています。
スペーシアは一番低くて345mm。タントが370mm、N-BOXは380mm。
この30~40mmの違いは大きいですね。子供やお年寄りの乗り降りがラクになるうれしい高さです。
新型スペーシアの値引きについて
新型スペーシアを買うときの値引き交渉。なかなか売れ筋ですから厳しいかもしれませんね。そこで値引き交渉に欠かせないポイントをお伝えします!
愛車の下取り価格と新車購入は別交渉をすること。これは必須です。
それはディーラーが付ける下取り価格は安い!からです。これは私が体験したことなんです。
ちょっとでも下取り価格を高くと思う方はまず、WEBの一括査定がカンタン!です。
一度に数社から見積もりが取れますから便利です。
私の場合は3社にお願いしその見積もりの価格差はなんと20万円もあったんです。驚きでした。
そして、私のクルマの最終価格はディーラーが出した下取り価格より10万円高い、50万円でした。全部、わたしが目の当たりにした事実です!
スペーシアの中古車情報と評価は?
スペーシアの中古車の選び方は?
スペーシアの中古車を買いたい!という人への参考情報です。
まず中古車は①年式 ②走行距離 ③オーナー数 ④修復歴 この4つは外さずチェックしてくださいね。④の修復歴はクルマの骨格に関わる履歴ですから、ぶつけたりして修理をしたのは含みません。ご注意を!
そして、中古車も試乗が可能がケースもあります。是非、気に入ったクルマが見つかったら実物を見て乗ってみてください。走りのフィーリングがマッチするか確認しましょう。
良い出会いがあるといいですね。
スペーシアの評価は?
スペーシアの評価をWEBチェックしてまとめてみました。5点満点です。
総合評価4.3点は立派!維持費や燃費が高得点はうなづけますね。ご参考まで。
乗り心地・運転のしやすさ:4.3
デザイン:4.1
燃費:4.6
維持費:4.5
価格:4.0
新型スペーシアのまとめ
新型スペーシアについてご紹介しました。スペーシアのライバル車との違い・有利な点はなんといっても燃費の面。
マイルドハイブリッドは充電用の大きな電池を持ちませんので、アクアのようなハイブリッド車ほどコストはかからず、重量が抑えられユーザーにはお得なモデルです。
それでも価格をみると10万円ほどスペーシアはライバルより高い。この価格差がどうでるか?
一方で安全性能や車内空間の快適度ではライバルと差が出たのでここがポイントですね。
また、ダイハツのウェイクもモデルチェンジ情報がありますから激戦です。
ウェイク(ダイハツ)モデルチェンジ!安全性能とタント、スペーシアとの比較は?
どれだけ新型スペーシアが頑張れるか?面白くなってきました!