三菱のパジェロミニが生産を終了して約5年。軽自動車規格でありながら、本格的な四輪駆動で悪路走破性に優れたクロスカントリー車として人気でした。今は軽自動車SUVの代表であるハスラーが大ヒット真っ只中。このタイミングでパジェロミニが復活するようです。対向するジムニーやハスラーとの比較、燃費・デザインについて新型パジェロミニの最新情報をお伝えしましょう。
目次
三菱パジェロミニとは?
三菱パジェロミニは「Final Anniversary」を最後に、2012年に惜しまれながら生産を終了しました。
パジェロミニは流行りのクロスオーバーSUVではなくクロスカントリー車。オフロードを走るにはもってこいのモデルであのパジェロが兄貴分。
パジェロと言えばパリ・ダカールレースを制覇したことで有名。その弟分ですから間違いなく走行性能はバツグンです。
さらにはパジェロに負けないボデイの高剛性を持ち合わせ、軽自動車と思えない悪路走破性がベースにありました。
一方、小ぶりなパジェロミニは可愛さもあり女性からも注目。取り回しの良さからも女性オーナーが結構いたようです。なるほど納得です!
三菱パジェロミニの評判や口コミは?
では、パジェロミニのオーナーさんはどのような評価をしているでしょうか?ご紹介していきましょう。
パジェロミニの良い点
・軽自動車でありながら高速道路で100km出してもハンドルのぶれなく安定走行(普通自動車に乗ってるのと同じ感覚)
・山道でも多少のぬかるみ、雪道などは問題なく走れて悪路もOK
・取り回しが良い
・車高が高く見晴らしがよいので運転しやすい
・丈夫なため故障が少なく維持しやすい
・中古車で買って長く乗っていても故障がないので助かる
軽自動車とは思えないほどの高い走行性能は頼もしいですね。また、故障が少ないのも特筆すべき点でしょう。
パジェロミニの良くない点
・車内が狭くて後部座席の足元が特に窮屈
・4名乗車時は荷室スペースが狭い
・室内高が1210mmと低すぎる
実質燃費は8.0km/ℓくらいのようです。オーナーさんはこの辺りは織り込んでのパジェロミニ ファンなんでしょうね。
それにしても大型SUV並みの燃費ひと桁台は、あまりに悪すぎませんかね?
新型パジェロミニについて
それでは新型パジェロミニについて項目ごとにご紹介しましょう。
新型パジェロミニの開発は?
新型パジェロミニは、三菱と日産の合弁会社であるNMKVが開発企画を担当。
NMKVは両社出資比率が半々のジョイントベンチャー企業で、軽自動車の企画とプロジェクトマネジメントを行っています。
すでに販売している”日産デイズ”、”三菱 ekワゴン、ekスペース”はNMKVが開発したクルマです。
<ekワゴン>
出典:三菱Webサイト
<デイズ>
出典:日産Webサイト
さすが同じプラットフォームを使っているためかボデイ全体が似ているように見えます。吊り目のライト、サイドの上下にあるライン、サイドミラーの形状などがそっくりです。
このイメージがパジェロミニになったらどんな感じになるでしょうね。楽しみです。
新型パジェロミニのプラットフォーム
現行のekワゴンの発売に合わせて20年ぶりに開発されたプラットフォームをそのまま使うようです。効率的な設計に基づき、高張力鋼板を大幅に増やすことで軽量化に成功しています。
<ekワゴン>
出典:三菱Webサイト
このプラットフォームは日産デイズにも採用されていて、さらに新型パジェロミニで使うとなれば量産→コスト削減 ということでしょうね。
また、2代目まで採用していた本格四輪駆動車に欠かせない”ラダーフレーム”は、新型から”モノコック”に変わるようです。乗り心地は振動が伝わりやすい”ラダーフレーム”より、”モノコック”が良いと言われています。パジェロミニのファンからモノコックなんて軟弱な、、、という声が聞こえてきそうです。
新型パジェロミニのパワートレインは?
こちらもekワゴン、日産デイズと同じエンジンを予定。NMKVは効率よい企画で、有るものを有効活用しとことんコストを抑えにかかっているようです。
この企画でいいクルマ造りができるなら歓迎ですが、それぞれ何か特徴あるデザインにしてほしいものです。同じような顔付きでボディサイズや排気量が違うクルマが多くなるとつまらないですから。
エンジンは2タイプを予定しNA(自然吸気)とターボ。ともにベースは”直3気筒DOHC12バルブ”となります。
<新型パジェロミニのスペック>
NA(自然吸気) | ターボ | |
排気量 | 695cc | 695cc |
サイズ | 3395×1475×1750 | 3395×1475×1750 |
最高出力 | 55ps/6400rpm | 60ps/6000rpm |
最大トルク | 5.5kgm/4800rpm | 9.8kgm/3000rpm |
駆動式 | 4WD | 4WD |
トランスミッション | CVT・7速パドルシフト | CVT・7速パドルシフト |
トランスミッションのパドルシフトは、ハンドル近くにあるボタンを使いギアチェンジできるしくみです。
手元にあるギアノブでギアを変えるよりも、ハンドルに両手をかけたまま手元でギアチェンジできるのが便利ですね。
新型パジェロミニの燃費は?
オーナさんの評価にあるように、走破性は認めるものの燃費に不満があるようでしたね。
いくらSUVでクロスカントリー車でも軽自動車であれば、今や実質燃費10.0km/ℓ以下はあり得ないです。
そうなると新型パジェロミニは、ekワゴンやデイズに近い20.0km/ℓは欲しいところですね。ではジムニーやハスラーはどうでしょうか?ライバル車との燃費の違いを一覧にしてみました。
新型パジェロミニ | 25.0km/ℓ |
ハスラー | 32.0km/ℓ |
ジムニー | 13.6km/ℓ~14.8km/ℓ |
ekワゴン | 25.8km/ℓ |
デイズ | 25.8km/ℓ |
期待値を込めて新型パジェロミニは25.0km/ℓにしました。ライバルをハスラーにするならこれ位は欲しいなと思います。ただ、直近のパジェロミニの燃費11.0km/ℓを考えるとこんなに飛躍的に延びるのか?ボデイを軽量化するだけではさほど燃費は延びないと思います。
それならハイブリッドかディーゼルエンジンにするなど、何か細工が必要ですね。それをしてしまうと価格に上乗せなので、MNKVはどんな策で対抗するのか?期待したいです。
因みにジムニーも新型を予定していて、同じように現行車の燃費14.8km/ℓは改善が必要。
スズキ新型ジムニーがフルモデルチェンジ?発売時期やエンジン、燃費の最新情報
スズキ得意のマイルドハイブリッド採用か?と思いますが、個人的にはクロスカントリー車にハイブリッドは似合わないと思っています。ディーゼルなら受け入れ易いですがこれを積むとかなり高価になりますから・・・どうでしょうか。
新型パジェロミニのデザインは?
アウトランダーやekワゴンに採用されている”ダイナミックシールド”コンセプトが表現されるでしょう。
左右のバンパーとアンダーカバーの3方向から、車の全体を守る盾のスタイルをとり、押し出しの強いデザインとなっています。
出典:三菱Webサイト
または次世代クロスオーバーSUVの最上級モデルとして発表した、”MITSUBISHI GT-PHEV Concept”に似たデザインかもしれません。
出典:三菱Webサイト
いずれにしても2代目パジェロミニとは遠い感じですね。
また、乗り降りの利便性を高めるため、2ドアから4ドアに変更にもなるようです。二人まで乗車なら2ドアでもいいですが、やっぱり4ドアが落ち着きます。
出典:You Tube
新型パジェロミニのライバルは?
新型パジェロミニはターゲットをスズキのハスラーにするようです。
<ハスラー>
出典:スズキWebサイト
<パジェロミニ>
三菱 パジェロミニ [H56A]
1994-1998
659cc 4A30型 直列4気筒DOHC
最高出力64ps/7000rpm
最大トルク9.9kgf・m/3000rpm
車両重量920kgpic.twitter.com/34LX37t3sB— 名車・珍車bot (@great_cars_bot) August 7, 2017
ジムニーではなくハスラーということは・・・クロスカントリー車ではなく、乗用車に近いクロスオーバーということ。かなり意外な展開でびっくりです。ひと目みても購入層は全く違うと思います。
ハスラーワイドスズキ新型発売で価格や燃費は?現行ハスラーやトールとの違いは?
ハスラーはデザインを見てもわかるように、可愛さを売りにしているモデル。パジェロミニは小ぶりながらもたくましさも備えていますね。
パジェロミニのファンはクロスオーバーになることをどう感じるのでしょうか?待望の復活!となっても、とても残念なお知らせになるような気がします。
パジェロミニのOEM車 日産キックス
2代目パジェロミニは過去に日産へOEM供給をし、日産キックス(KIX)というネーミングで2008年から4年間 販売していました。
キックスとパジェロミニとを写真で見比べてみましょう。三菱からのOEMですから基本、同じはずですが、、、
<日産キックス>
出典:日産Webサイト
<パジェロミニ>
出典:Wikipedia
写真で見ると、フロントグリルが日産独自のデザインになっていますね。ボディや内装カラーにも変化を持たせて日産ミニ四駆として発売していたようです。
日産のプライドでしょうか、ちょっとた工夫でパジェロミニとの差別化を図ったのでしょうね。
日産キックスは新型を発売!
その日産キックスは、すでに2016年から新型をブラジルで発売しているようです。
ただし以前のキックスとは違い、普通自動車規格の1.6L SUV。またネーミングは一緒ながらもスペルがKIX→KICKSと変わり、デザインは日産のVモーションを取り入れて一新。
出典:日産Webサイト
まるで、ジュークのような顔立ちです。パジェロミニの面影は全くなくなり寂しい気がしますね。
これから販売される地域は中国で2017年内のようです。
ボディサイズはジュークとエクストレイルの間。でももうこの顔立ちのSUVは日本ではおなか一杯かなと思います。
出典:You Tube
昔のキックスの方が私は好きですね。山道もガンガン上っていきそうです。
ということで、キックスが新型を発売したなら本家のパジェロミニも、近い将来 新型になることは間違いなさそうです。
新型パジェロミニの販売日と価格
新型パジェロミニの販売は当初2017年と言われていました。燃費不正問題で揺れる三菱には、新型モデルの開発費やそれに費やす時間があまりになくて延びてしまうようです。
予想としては2018年末までに販売。
また価格はライバルとするハスラーの4WD車が120万円~。ターボなら170万円までの値付けです。燃費32.0km/ℓには及ばないと予想しますので、ハスラーの価格より抑えたいところです。
価格予想は120万~160万円台。ただし、ディーゼルを搭載すればプラス30~40万円となります。
パジェロミニの中古車情報
新型パジェロミニの復活を待っていたのに、新型のデザインは今一つなんて方もいるでしょうね。
そういう方は、中古車を求めるのもいいのかなと思います。
口コミにもあったように中古車でも故障が無くてよかった!と。元々よくできたクルマなんでしょうね。さすが三菱です。
価格は次のようなデータが出ていますが、修理履歴や走行距離などが深くかかわります。さくっと検討するメジャーにしてもらえれば。
2代目モデル:7万円~140万円
全体的に台数は出回ているようです。特に2010年~2年間の登録モデルで状態の良いものがおススメ。購入検討の際は必ず試乗してくださいね!
また、パーツなどはオークションサイトでも数多く扱っているようです。思ったよりも安く手に入るとか。これなら中古車を買っても安心できそうです。
参考:私が実際に中古車査定した実体験
〔車買取〕査定を少しでも高くするには?クルマを買うときのお得情報と無料サイトの利用方法
新型パジェロミニのまとめ
新型パジェロミニについてお伝えしました。かなりの変更点があるようで、復活に期待していたファンはがっかりする人が多い気がします。
オフロードで走行性能を求めている人は、ジムニーに流れる可能性がありますね。
話は変わりますが、三菱の燃費不正問題は本当にひどい話です。でもクルマ自身には何も罪が無いワケで、良いモデルは多くのオーナーさんから大切にされると嬉しいですね。
三菱は確かに今窮地で社運をかけた起死回生できるモデルが欲しいはず。それが新型パジェロミニかもしれません。売りがたくさん出るように!頑張れ~!!!