スズキの代表的なコンパクトカー「スイフト」がフルモデルチェンジで2017年1月から販売している。今回のモデルチェンジで4代目となりマイルドハイブリッド、3種類のエンジン、そして新プラットフォームのハーテクトを採用。すべての面で大胆な進化を遂げたといわれている新型スイフトをご紹介しましょう。
目次
新型スイフトは新プラットフォーム「ハーテクト」採用とマイルドハイブリッド
新型スイフトは新型プラットフォーム「ハーテクト」
軽量化にこだわるスズキは次世代テクノロジーとして新プラットフォームの「ハーテクト」を開発し、今回の新しいスイフトにも採用している。人気のワゴンRやイグニス、バレーノにもすでに採用されているもの。
ハーテクトでは構造や部品の配置を全面的に見直し。アンダーボディーをなめらかな骨格構造にしてシンプルにすることで軽量化と基本性能が向上。
サスペンション部品も骨格の一部として利用したり、部品同士の結合を強化することで補強する部品点数を減少させた。
その結果、アンダーボディーは30㎏、新しく設計したサスペンションでは各部を剛性化しつつも9㎏、車両全体ではなんと先代に比べて約120㎏の軽量化を達成。4WDモデルを含む全グレードで車両重量が1000㎏(1トン)を下回ることに成功した。
このボディーの剛性化、軽量化と合わせてパワートレインの進化が相まって、走行性能にも好影響を及ぼしている。
出典:スズキWebサイト
新型スイフトはマイルドハイブリッド初搭載と燃費
新型スイフトにはエンジンは3種類で”1.2リッターデュアルジェットエンジン”、”1.0リッターの直噴ターボ”、”マイルドハイブリッド”となっている。
パワーを下げずに、未燃焼ガソリン、廃棄のロス、冷却のロスなどの様々なロスを抑え、ガソリンを効率よく動力に変換して燃費や走行を向上させている。
またデュアルジェットエンジンは圧縮比を高めることでパワーとトルクが上がり、使うガソリン量が減少。
圧縮比を高めることで問題になる異常燃焼対策(ノッキング)は、1気筒あたり2本のインジェクターを設置したデュアルインジェクションシステムを燃焼室近くに置き、効率よく充填することで燃焼室温度を上げないなど様々なノッキング抑制を行っている。
相反する動力性能と環境性能の両方をアップさせることができて、燃費はカタログ値でJC08モード24.0km/L。
出典:スズキWebサイト
ガソリンをシリンダー内に直接噴射する直噴化技術は消費燃料を抑えつつ混合気の冷却とノッキングを抑えた。このように燃費向上した軽量・小型エンジンに排気ガスを利用した圧縮空気をシリンダー内に送るターボチャージャー。
先に搭載したバレーノと違い、新型スイフトではレギュラーガソリン対応としている。1.0リットルながらも1.5リットル自然吸気エンジンに迫る高出力・高トルクを達成。
こちらの燃費はJC08モード20.0km/Lとターボなのでやや控えめ。
出典:スズキWebサイト
スズキ特有の簡易なハイブリッドのマイルドハイブリッドを新型スイフトで初採用。先に紹介した1.2リッターデュアルジェットエンジンにISG(モーター機能付発電機)を搭載。減速時のエネルギー利用で発電して、アイドリングストップ車専用鉛電池とリチウムイオン電池に充電。
発進や加速の一番ガソリンを使うところでモーターで最大30秒アシストして燃費を上げるという仕組み。なのでマイルドハイブリッドは、EV走行ができるわけではありません。
燃費はFFでJC08モード27.4km/Lとガソリン車を上回るがその差は少しおとなしめ。
出展:スズキWebサイト
さて、こう見てみると今回の新プラットフォーム「ハーテクト」採用での大幅な軽量化によって、ガソリン車でさえも燃費24.0km/Lと結構延びている。マイルドハイブリッドが27.4km/Lなのでその差は3.4km/L。車両価格でいうと消費税込でマイルドハイブリッド車が9万7200円高い。
コストパフォーマンスのことだけ考えると車両の価格差を埋めるのは、長い距離を走ることでだなと。私のようにたまにしか遠出はしなくて、土日にご近所を走るくらいの人はガソリン車で燃費的にはよいのかもしれません。
走りも燃費もかなりイイ! 170万円切るスズキの新型スイフト「ハイブリッド RS」を試してみたhttps://t.co/WCqxVobwNH pic.twitter.com/rx0SCQiuM1
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 7, 2017
新型スイフト初採用のデュアルセンサーブレーキサポートなど安全性能
新型スイフトのデュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)
安全装備としてはスズキ車の初採用となるデュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)を搭載。単眼カメラとレーザーレーダーの組み合わせで、車両だけではなく歩行者も検知できる。
出典:スズキWebサイト
前方衝突警報機能・前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能・自動ブレーキ機能
単眼カメラとレーザーレーダーで検知した歩行者や、車両と衝突しそう。。の場合は音とメータ表示で警報する”前方衝突警報機能”。ドライバーが強くブレーキを踏むとそれをブレーキアシストで制動力を高める。さらにはこのままではぶつかってしまう・・と判断した時には衝突回避、被害軽減のために自動で強いブレーキがかかる仕組み。作動条件があるが事故を回避できる可能性が高くなっている。
出典:スズキWebサイト
ハイビームアシスト機能
前を走る車や対向車がいる場合などは眩しくないようにロービーム、居なくなればハイブームに切り替えてさらに見やすくなるようにヘッドランプを自動切換えしてくれる機能。
出典:スズキWebサイト
出典:you tube
新型スイフトのインテリアと価格・色展開
新型スイフトのディスプレイ
新型スイフトのディスプレイはブラックに白と赤という見やすい色合い。文字やメーターは、かなりスポーティで見た感じは若い男向けと感じる仕上がり。”世界戦略車”だけあって作りがよく品質もいい感じ。
出典:スズキWebサイト
センターのマルチインフォメーションディスプレイはイグニッションONでは運転状況、例えば燃費状況、パワー/トルク表示など、イグニッションOFFでは走行時間・距離、あとどれくらい走れるかの表示などをカラーで見やすく表示。
ブラックの上にカラー表示はおしゃれ感がある。割とハードな感じの車で男性向け感が高いが、カラーのディスプレイは女性にもきっと好評だなと思う。
出典:スズキWebサイト
新型スイフトは居住性よく運転しやすい
新プラットフォームのハーテクトを採用することで、エンジンルームが最小化されコンパクトカーながらゆとりがある設計。新型スイフトのオーナーからは、思ったよりも車内が広いとコメントがでるほど。
ただし、収納スペースが乏しいようで眼鏡やスマホなどを置く場所を確保するのは一苦労のようだがトータルで考えて広くて居住性の良さが◎となる。
出典:スズキWebサイト
また、車内が広いうえにドライビングポジションを設定できるからもっと運転がしやすくなる。コンパクトカーだと狭いのでは?と思いがちだが、新型スイフトは例えばシートスライドは前後に1㎝きざみでMAX前後24㎝の調整が可能。
先代との違いはうしろ席の足元は十分な余裕がある。前の席下に足先を楽々入れることができるよう。小柄な女性から大柄な男性まで幅広く対応しているところは評価が高いようです。
出典:スズキWebサイト
新型スイフトは広いラゲッジスペースで積みやすい
コンパクトながら室内だけでなくラゲッジも広々の265リットル。先代が210リットルと軽自動車と同じくらいだったが、リヤシートを倒すことでゴルフバッグの収納もOK。さらには開口部の高さが715mmで荷物の積みおろしがしやすことも配慮されている。
出典:スズキWebサイト
新型スイフトの価格とカラー展開
:2WD・CVT 1,691,280円 1,787,400円※
:4WD・CVT 1,845,720円 1,941,840円※
○RSt
:2WD・6AT 1,704240円 1,800,360円※
○RS
:2WD・5MT 1,594,080円 1,685,880円※
:2WD・CVT 1,625,400円 1,721,520円※
:4WD・CVT 1,779,840円 1,875,960円※
○XL
:2WD・5MT 1,463,400円 1,555,200円※
:2WD・CVT 1,463,400円 1,559,520円※
:4WD・CVT 1,617,840円 1,713,960円※
○XG
:2WD・6AT 1,343,520円 1,497,960円※
新型スイフトにも採用しているCVT。最近は多くの車に採用されていて日本語では”連続可変トランスミッション”という。
ATはスピードに合わせて自動でギアチェンジするのに対して、CVTはギアを使わず2つのプーリー(滑車)の直径の変化を組み合わせ、スピードに関係なく無段階に速さが変えられる。これによってエンジンの動きを一番良い状態にできて燃費もアップ。また無段階の変速だから加速が滑らかなのがうれしいポイントとなっている。
セーフティパッケージをつけるかどうかはプラス価格が約9.4万円くらいなので迷うところ。内容はデュアルセンサーブレーキサポートやアダプティブクルーズコントロールなど魅力的な機能が満載。衝突警報や被害軽減の予防安全の部分がパッケージになっている。
いざという時に心強いので私ならつけておきたいなと思いますね。あとから付け足しができないのでよく考えて決めたいところです。
フロントシートSRSサイドエアバッグ
デュアルセンサーブレーキサポート
誤発進抑制機能
車線逸脱警報機能
ふらつき警報機能
先行車発進お知らせ機能
ハイビームアシスト機能
アダプティブクルーズコントロール など
カラーはHYBRID RS、RSt、RSは5色、HYBRID ML、XL、XGのグレードは7色展開で※印が追加カラー。RSシリーズはフロントのスズキのロゴ下に赤いラインがデザインされていて、ちょっとしたことだけど全体かスッキリ見えてていい感じですね。
【バーニングレッドパールメタリック(ZWP)】出典:スズキWebサイト
【ピュアホワイトパール(ZVR)】出典:スズキWebサイト
【スーパーブラックパール(ZMV)】出典:スズキWebサイト
【プレミアムシルバーメタリック(ZNC)】出典:スズキWebサイト
【クラッシーブラウンメタリック(ZVS)※】出典:スズキWebサイト
【ヘリオスゴールドパールメタリック(ZWE)※】出典:スズキWebサイト
【ネオンブルーメタリック(ZWC)※】出典:スズキWebサイト
まとめ
新プラットフォームフォームのハーテクト採用で大幅軽量化に成功した新型スイフト。軽くなった車体とマイルドハイブリッド搭載でさらに燃費が良くなり長い距離を乗る人にはお勧め。私のようなに街中をサクッと走ることが多い人はガソリン車でも十分だと思う。
残念なことにオーディオが標準装備されずメーカーオプション。オプション価格はDVDビデオ機能付きパイオニアの5万6000円からAM/FMラジオ付CD/USBプレーヤで2万9000円ほど。(参考取付費込)
全体的にはコストパフォーマンスが良く室内は広くて、さらには環境によいと車に仕上がっていると感じました。