ホンダのレジェンドは3ナンバーの本格的な高級車。フラッグシップモデルとして販売されていますが、低迷が続き2016年は残念ながら販売台数が800台をやっと超す状況。そんな中、起死回生を図りたいホンダが、近々にビッグマイナーチェンジで新型レジェンドを販売するようです。新しいレジェンドのフロントマスクはどんなデザインか?燃費はどうなるか?など最新情報をお伝えしましょう。
目次
ホンダレジェンドとは?
レジェンドは1985年ホンダ初の3ナンバー仕様、フラッグシップモデルとして発売を開始。ホンダが初めて手掛けた高級車が、”レジェンド”だったワケですね。
本格的な高級車を発売するも28年ほどでその幕は降ろされ、2012年6月に一旦生産を終了しています。
その後、約2年を置いて新型レジェンドが復活。2015年2月から5代目として3.5L、3モーター付きのハイブリッド専用車が発売をスタートしました。しかしながら販売は思うように延びず、2016年は前年を大きく下回る829台しか売れず。再び窮地にたたされています。
ホンダのセダンでは最高級車となる”レジェンド”ですがなんか物足らない、、
他のメーカーはトヨタならクラウン、日産ならシーマ、フーガと知名度や販売がある程度の安定感があるように感じます。
が、残念ながら”レジェンド”は寂しい感じです。現在のレジェンドのラインナップは1モデルだけ。充実感の無さがそれを物語っていますね。またホンダも最高級モデルのレジェンドが今の状況なのは不甲斐ないと思っているでしょう。
ホンダ レジェンドとアキュラ
同時にレジェンドは北米(アメリカ、カナダ)にて上級ブランドとして新展開した”アキュラ”の、最高級モデルとしての位置づけでもありました。
”アキュラ”の存在を含めて、発売当時の様子はあまり知られていないように思いますね。わたしも”アキュラ”のロゴは見たことがありましたが、詳しくは知りませんでした。
北米でのホンダ高級モデルを販売するブランドとしてスタートした”アキュラ”。ブランド名はホンダのロゴを逆さまにし、”Accuracy(正確さ)”の造語としたようです。
次の写真をみてください。
ちょっと笑ってしまいました。ほんとホンダのロゴを逆立ちさせた形が、アキュラのロゴだってことが見て取れますね。
出典:アキュラWEBサイト
アキュラはその後、ロシア、中国、韓国へ市場を拡大。”アキュラ”ではレジェンドは”レジェンド”、”RL”、”RLX”と地域によって名称を変えて販売。日本でおなじみの”レジェンド”という名称は造語ではなく”レジェンド=legend=伝説”だったために、違うモデル名での展開になったのかもしれませんね。
そのアキュラも現在はスポーツセダン、ラグジュアリーセダン、SUV、スーパーカーのNSXと6モデル展開。
アメリカでの販売は不振ですが、中国では2017年上期は新車販売が5.4倍となり、過去最高。コンパクトSUVが好調のカギのようです。
レジェンドの口コミや評判は?
それではレジェンドのオーナーさんはどのような評価をしているでしょうか?ご紹介したいと思います。
レジェンドの良い点は?
・販売台数があまりないので、街中でレジェンドに遭遇せず良い
・レジェンド独特の高速域のスピード感は最高
・AWDは雨の日の走行でとても安心感がある
・静粛性が高い
・パワフルなエンジンでスポーツカー並みの走行性能
・変速や加速がスムーズ
・走行性能が良いので運転が楽しい
・デザインがよくてカッコいい
・LEDのヘッドライトがすごく明るくて運転しやすい
・シートの構造やクッション性が良く、全く疲れない
・インテリアの質感が高い
・和洋の良いところを取り入れた内装は、落ち着く
さすが高級車。走行面、居住性、また所有欲を満たしてくれる販売台数の少なさが良いようですね。
レジェンドの良くない点は?
・車体が重いため燃費は最悪で、街乗り5km/ℓほど、高速は8~9km/ℓ程度
・高級感を求めて乗るとがっかりする
・小回りが利かない
・フラグシップモデルらしい個性がない
・内装が質素なのに価格が高い
・後方の視界が悪いため車庫入れに苦労する
・維持費がかさむ(自動車税含む)
個性がない、高級感がない、質素など残念なコメントが見られます。
感じ方は個人差があるとは思いますので難しいところですね。購入の際は、高級車でもありますので、細かいところまで実物で確認したいところです。
新型レジェンドについて
それでは新型レジェンドについて項目ごとに追っていきたいと思います。
新型レジェンドのパワートレインは?
新型レジェンドのパワートレインは構成そのものには変わりはないようです。
ただ追って話しがでますが、燃費性能については改良の余地があります。
**エンジンについて**
現在のレジェンドは2015年に発売開始。画期的な3モーターハイブリッドシステム搭載車を発売し、現在に至っています。
レジェンドはアキュラブランドでいう”RLX”に相当し、”RLX”のモデルチェンジ版が新型レジェンドのベースになると言われています。そしてエンジンは”AP5-T”という排気量が3L、最高出力が350psを超す高性能タイプを新開発したという噂です。
現行レジェンドのエンジンは3.5Lで最高出力が314psですから、新型はよく走るスポーツタイプを目指しているようですね。
出典:You Tube
**燃費についてライバル比較**
現行レジェンドの燃費がハイブリッドにもかかわらず、なんと16.8km/ℓと決して良いとは言えません。
ただし、ライバルのトヨタ クラウンマジェスタは18.2km/ℓ、日産のシーマが15.6km/ℓとなっていますので、ものすごく悪い!というワケではなさそうです。
一般のハイブリッド車が30km/ℓ台を出していますので物足りないのは確かです。
新型レジェンドの燃費性能を上げるには、まずは重量をダイエットしたいところです。
ライバルと差は何かというと、トヨタマジェスタの燃費が良いのは重量がダントツで軽いこと。これが大きな勝因だと思います。
具体的にはレジェンドが1980㎏に対して、トヨタ マジェスタは1800㎏台、アスリートはなんと1700㎏台と1割以上も軽いんです。次の比較をみるとよくわかりますね。
・シーマ:1930~1950㎏・15.6km/ℓ
・クラウンマジェスタ:1810~1830㎏・18.2km/ℓ
・クラウン アスリート:1720~1760㎏・21.0km/ℓ
3つのモーターを持つレジェンドは重量に関しては不利でしょう。
とは言うものの、燃費性能の向上は期待したいところ。新型レジェンドは重量を1900kgを切るところまで軽量化し、燃費は18.5km/ℓを目標にしたいですね。
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3モーターのハイブリッドシステムSH-AWDとは?
5代目の新型レジェンドに採用された、”3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」が画期的なシステムとして話題になりました。
モーターは前に1つ、うしろに2つを配置。エンジンと3つのモーターで、走っている状況やドライバーの操作具合から、1番エネルギー効率の良い走行モードを選んでくれるというもの。これにより5代目レジェンドより優れた燃費効率が実現し、16.8km/ℓまで延ばすことに成功しました。
また、左右の後輪の駆動力を走っている状況に合わせて制御するSH-AWDは、左右に配置されたモーターによりコーナリングはスムーズで効率がよい走りに。
オーナーさんの口コミにもあったように、”AWDは雨の日の走行でとても安心感がある”はここからきているワケですね。納得です。
新型レジェンドのプラットフォームは?
新型レジェンドのプラットフォームについては、正式発表は無く噂もほとんど流れていません。
ただ、アキュラのWebサイトを覗いてみると、スポーツハイブリッドのカテゴリーで、”RLX2017プレミアム ラグジュアリー セダン”の紹介がありそこに骨格の写真が掲載。
アキュラブランドの”RLX”はホンダのレジェンドにあたります。
出典:アキュラWebサイト
写真が、新型レジェンドのプラットフォームに近いものかもしれませんね。
先に書いたように軽量化することで燃費性能をあげたいはず。そうするとプラットフォームの刷新が望まれるところです。
新しいプラットフォームは、例えば部品点数を少なくする、骨格そのものの素材を高剛性化を図りながら軽くする、などほかのメーカーでもよくやっている方法があります。
ただ、5代目レジェンドはまだ発売されて2年ほど。プラットフォームを一気に変更となるとそれはフルモデルチェンジなので、タイミングとしては3~4年ほど先の話になるかと。
2015年に新型レジェンドを発売した時に、プラットフォームについてはここまで考えていなかったのか?レジェンドの生き残りをかけるなら、、と思うと残念ですね。
新型レジェンドのデザインは?
新型レジェンドのデザインについては、アキュラのWebサイトに”2018年新型RLX”として画像掲載があります。
<2018年新型RLX>
出典:You Tube
出典:アキュラWebサイト
<現行レジェンド>
出典:ホンダWebサイト
特徴的なのは前面グリルのデザイン。
まずはグリルのデザインが現行レジェンドとは全く違い、アキュラ側は末広がりで大きくとっています。これにより存在感が増す感じに。一方の現行レジェンドは下に行くほど狭くなるデザインででアキュラとは逆ですね。
また、ロゴマークがアキュラは大きくとっていますので印象がかなり違います。これがホンダ レジェンドになるとロゴマークの配置や大きさはどうなるのか?楽しみです。
出典:You Tube
<ジュエルアイLEDヘッドライト>
出典:ホンダWebサイト
次に気になっていたヘッドライト。ジュエルアイLEDヘッドライトはそのままのようですね。
私はこのダイヤモンドの様に光る外側の4灯がお気に入り。キラッと1灯づつ光るところがハッキリと見えるのが、きれいに見えてカッコいいですね。
新型レジェンドの発売日と価格
新型レジェンドの発売は、2018年度春ごろが有力です。10月末から始まる東京モーターショーにてお披露目し来年度から販売するパターン。
価格は現行の680万円と変わらずと見ます。特にプラットフォームを変えることもないでしょうし、ビッグマイナーチェンジなので価格を上げることもできないと思います。
ホンダの高級ブランド戦略について
ホンダの高級ブランドが”アキュラ”は、トヨタのレクサスや日産のインフィニティより早い1986年に展開しました。30年前の時点では、トヨタや日産に1歩リードだったワケです。
あとを追うようにレスサスとインフィニティが1989年に立ち上がることに。
出典:レクサスWebサイト
出典:日産Webサイト
まずはレクサスが日本国内向けに発売を始めましたが、初年度は年間販売目標を大きくはずしてこけてしまった。日産とホンダは、このタイミングでは高級車市場がまだ成熟していないと判断し、日本展開を即延期に。
レクサスの始まりは惨憺たるものでしたが、販売モデルがトヨタモデルをスライドさせている点など、失敗の根源を一新し、レクサスモデルを開発、販売。
今や日本では”レクサス”ブランドは”超高級車ブランド”、”日本国産”という2枚看板を持つ素晴らしいブランドに成長しました。トヨタの粘りと戦略勝ちですね。
ホンダの場合は、レジェンドの生産を終了した時点で、もしかして”アキュラ”を日本に持ってくるのか?ともささやかれていました。しかし、実際はレジェンドは復活しアキュラは海外チャネルでの高級ブランドのままです。
ホンダ、日産はそれぞれで高級ブランドを持っているワケですから、レクサスに対抗して市場をにぎやかにして活性化してほしいなと思います。
レジェンドの中古車情報
高級車のレジェンドを新車で、、、というのは勇気がいりますね。そこで、まずは中古車から始めるのも良いかもしれません。
レジェンドの中古車市場は、どうも”レジェンド”のブランド力が今一つないこと、販売台数が少ない=流通台数が少ないため値崩れが起こりやすいようです。
とあるサイトで見ると、現在のレジェンドの平均相場は69.9万円。もちろん、走行距離、年式、修理の有無、オーナーの数などでその差は出ます。
オーナさんの評価を各項目で見ると次のようになります。
・デザイン:4.0
・走行性:4.0
・居住性:3.9
・積載性:3.3
・運転しやすさ:2.8
・維持費:3.7
一度、中古車市場をwebで検索するといろいろと出てきますよ。掘り出し物があればいいですね~♪
新型レジェンドのまとめ
新型レジェンドの情報をお伝えしました。
”アキュラ”は日本での知名度はあまりありませんが、ホンダの高級ブランドを扱っているわけですから誇りをもっているハズ。
アキュラの流れを継ぐ新型レジェンドは高級車としてぜひ復活してほしいものです。